7周年総会は、猛暑の中、約60名の方に足を運んで頂きました。
第1部の総会は、事務局の北村功次さんの司会で始まりました。
冒頭、横山文夫共同代表が開会の挨拶で、前日に新聞報道された大川原化工機事件国賠訴訟に触れました。警視庁公安部の現役警察官が「(事件は)捏造ですね」と証言したことを紹介し、大垣警察市民監視違憲訴訟でも、警察官の証人採用を是非実現したいと弁護団員として準備書面を書かれた立場から発言されました。続いて、山田秀樹弁護団長から、裁判の現状の報告がありました。
小倉文雄事務局長から、情勢、及び2022年度の活動報告、2023年度の活動方針、会計報告(決算・予算)の一括提案があり、若干の質疑を経て、了承されました。
第2部は、實原隆志・南山大学大学院法務研究科教授の記念講演でした。
岡本浩明弁護団副団長が、實原先生に意見書をお願いし、快諾して頂いたこと、超特急で裁判所への提出がかなったことを紹介しました。
【動画】
實原先生は、講演の前半では、裁判所に提出した「意見書」の骨格を整理して説明されました。
情報提供については、違法とした地裁の判断は維持されるべきであると同時に、目的の正当性やそれに対する法律上の根拠の有無のより詳細な検討が必要であり、重要な情報の提供まで認める規定としての警察法2条1項の合憲性の検討をより厳格に行うべきであると述べられました。
情報収集については、警察による情報収集の違憲性・違法性に関する岐阜地裁の審査は不十分であり、(情報収集という)権利侵害の正当性は認
められないので、情報収集も違憲・違法とすべきこと。また、情報保有についても、地裁が原告側に求めている情報の特定は厳格に過ぎること、本件で推測される情報保有を正当化する事実は確認できないことから、実体法上の評価として違憲・違法とすべきであること。そして、これらの分析を通して、現在の最高裁判例の枠組みの中でも、情報収集及び情報保有を違憲・違法と判断すべきであるという結論を論理的に明らかにされました。
後半では、近年の議論やドイツ連邦憲法裁判所の判例を紹介しながら、最高裁は「自己の情報がみだりに扱われない権利・自由」(≒自己情報コントロール権)が、個人のみならず、社会全体にとっても重要であるという認識が不十分であることを指摘されました。
最後に、この事件・裁判を機とした変化への期待として、3つを挙げられました。
(右下スライド参照)
市民監視の悪法が次々と作られ、「監視社会」の足音が高くなっている状況の下で、時宜にかなった講演をして頂けたと思います。
講演の後、稲葉當意・共同代表から、閉会の挨拶として皆さんに総会参加のお礼と、運動への一層のご支援を訴えました。
”コロナ”感染拡大の中、感染防止に気をつけつつ、約50名に集まって頂きました。
朝日新聞のスクープで事件が明るみに出てから丸7年。その間、「この事件」を巡る裁判そして運動もさることながら、国と権力者による「共謀罪」「デジタル改革関連法」「重要土地利用規制法」などの悪法の強行成立が相次ぐ中、「もの言う」自由との闘いでした。
2月21日の一審判決当日には、岐阜地裁前で待ち受ける支援者の前に「公安警察の情報提供を断罪」「勝訴」の旗出しを行うことができました。しかし本丸とも言える情報の収集と抹消については、控訴審での厳しい戦いとなります。
この裁判の勝利をめざし、その運動を通じて、警察国家への道を食い止め、「もの言う」自由を社会に定着させていきましょう。
第1部 総会
右下の議案書PDFファイルをご覧ください。
第2部 記念講演と討論
記念講演「一審判決を力に!公安警察に法の網を」 岡本浩明弁護士
【動画】 https://youtu.be/BY0R0UvEUUE
右下のレジュメPDFファイルをご参照ください。
トップページにも記載しましたが、予定していた記念講演「戦争する国づくり ~ 監視下におかれる市民 ~」は、講師の仲松正人弁護士の急病のため中止となり、急遽、弁護団長の山田秀樹弁護士から、証人尋問を終えた現在の時点で、改めて、この事件をどう捉えるかについての講演となりました。
【動画】https://youtu.be/ArtZS7qtnfI
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<総会>
事務局の北村さんの司会で進めました。開会挨拶の横山文夫共同代表が少し遅れられたため、岡本浩明弁護士からこの1年間の裁判の施行の概略についての報告、小倉文雄事務局長から議案(下のPDFファイル参照)に沿って、活動報告及び活動方針提案を行いました。その間に横山共同代表が到着され、中部弁護士会連合会の「昭和の著名事件を語り継ぐ」シリーズに(横山弁護士も関わられた)正木事件が取り上げられたことを紹介し、正木事件においても公安警察の諜報活動のありようが問題にされたというこの事件の共通性に触れられ、さらに闘い抜く必要があることを強調されました。この後、議案は、拍手で承認されました。
<記念講演>
山田弁護団長による急遽の「差し替え」講演となりました。とはいえ、この間、証人尋問の準備及び証人尋問によって新たな観点を獲得したという面もあるので、それを皆さんに紹介できたのは、良かったと思います。是非、右のPDFファイルもお目をお通し下さい。
最後に出席した原告から皆さまにご挨拶させて頂いて、会を終了しました。
↓ 中日新聞2021.8.1
<総会>
まず初めに、共同代表の稲葉当意さんから「被告が音を上げるまで頑張ろう」「裁判に関わることが勇気と希望に繋がるような運動としていこう」挨拶がありました。
次に弁護団から裁判の進行状況についての話がありました。交代した新しい裁判長は、できるだけ早く判決までもっていきたい様子。 徒に引き延ばすつもりはありませんが、審理の中身がおざなりになっってはいけません。迅速な進行に協力しながらも、しっかりとした審理を求めていかねばなりません。
原告からの挨拶の後、小倉事務局長から昨年度の活動、今年度の活動方針についての提起がありました。
l、国賠請求訴訟と個人情報抹消請求訴訟が併合され、内容を改めた 『新しい署名』 が開始された。裁判の進行が早まる可能性もあるので、現在の署名用紙での署名は、できるだけ2020年末まで集めたい。
2、裁判所の「コロナ対策」として裁判傍聴の人数が制限される中で、裁判傍聴と「控え」集会の振り分けの工夫や、報告集会などの工夫・改善を行った。また、口頭弁論が間遠になっているので、会員との意思疎通や問題意識の共有のあり方の工夫を一層図っていきたい。
3、「もの言う」 自由を守る会ニュースの4回の発行や 「基本資料集」改訂版の発行など 「知って頂く」 活動を行った。
特別報告として国民数援会の加藤事務局長から当裁判「大垣警察市民監視事件」を全国の組織と会員で取り組んでいる報告と、ともに聞う決意が述べられました。
裁判も新しい局面に入ってきました。 これからの一年間、特に2020年末までの半年間の活動が重要になります。署名活動や会員拡大を通じて全国のともに闘う皆さんと力を合わせて「新しい活動形態」を力に積極的に取り組むことが提起されて離認しました。
<記念講演>
緒方靖夫さんによる記念講演《緒方宅盗聴事件「高裁判決とその現代的意義」》は、この事件に、そして裁判の進行にぴったりの内容でした。
事件の発覚、警察の対応、検察の対応(全く「同じ」ではない)の当事者ならでは、の分析・観察が詳しく語られました。また、運動の過程で、幅広い協力が得られ、それが事件の解明や裁判の力になったことも述べられました。さらに人権「後進国」日本の中だけにとどまるのではなく、積極的に国際社会に訴えていく、という観点から大きな示唆を頂きました。
国賠訴訟における東京高裁判決の「…盗聴されている側においては、盗聴されていることが認識できず…盗聴された通話の内容や…被害を具体的に把握し、特定することが極めて困難であるから、それ故に、誰との、何時、いかなる内容の通話が盗聴されたかを知ることもできない被害者にとって、その精神的苦痛は甚大である」という部分は、どのように監視(情報収集)されていたのかわからない私たちの権利侵害を表すのにも、大変示唆的です。
とても有意義な講演で、多くの皆さんから「参加して良かった」という声を頂きました。
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なお、参加者の岡崎さんが記念講演の感想をまとめて下さったので了解を得てリンクします。 ⇒
記念講演の後に、横山文夫・共同代表が「裁判はいよいよ正念場。この歴史的裁判に勝利しなければならない、と改めて思った。皆でしっかり取り組もう」との挨拶がありました。
於:大垣市スイトピアセンター学習館
第1部:記念講演 武藤糾明 弁護士
「”わざわざ”私が福岡から
大垣の弁護団に加わったわけ」
第2部:「もの言う」自由を守る会3周年総会
・伊舞木座 歌「もの言う自由を」
・ガーベラプロジェクからの寄付
【記念講演要旨】
現在の技術は、一定程度以上の画素数のデジタル画像があれば、がどこの誰であるか特定できる。予め登録された人物のデータベースとわずか数秒で何万人とも照合ができる。
だからこそ、(公安)警察が収集・保管できる個人情報は、厳しい法的な統制が必要だ。
民主主義国家では、政府批判を行うだけの行為は、民主主義の基盤をなす表現行為として手厚く保護されるべきで、これを理由として監視対象にすることは許されない。
ところが、許されないはずの行為が長年にわたって、かなり大規模になされていることを明るみに出したのがこの大垣事件だ。
明確なルールも実効的な監督もなく違法な監視行為が継続されないよう、何らかの民主的コントロール化を図るきっかけとなるような問題提起を行うのがこの裁判を社会的役割ではなだろうか。
『2018年5月26+日、大垣警察市民監視違憲訴訟の勝利をめざす「もの言う」自由を守る会』の2周年総会&記念講演を開催しました。
会場いっぱいの約80名の参加がありました。
記念講演は、この2月に無罪を勝ち取った名古屋白龍 でっち上げ「暴行」事件について、弁護人を務めた塚田聡子弁護士と当事者の奥田恭正さんからお話しを伺いました。
《第1部》総会
事務局の古川さんの司会で進められました。まず、横山文夫・共同代表が開会の挨拶を行いました。次に原告から、皆さんに裁判傍聴などの日頃の支援に感謝の挨拶をしました。
参加した弁護団の弁護士から自己紹介の後、山田弁護団長が弁護団を代表して挨拶しました。
その後、昨年の総会以後の1年間の活動について、小倉事務局長から、スライドを使っての報告しました。(下の「2017年度の活動」PDFファイル参照)
岡本弁護士からの裁判の現状についての簡単な報告の後、さらに小倉事務局長から、活動報告の補足と会計報告をしました。
そして、今年度の活動方針・予算案、「もの言う」自由を守る会の事務局の体制が提案され、承認されました。(下の「2周年総会議案書」PDFファイル参照)
《第2部》記念講演
名古屋白龍 でっち上げ「暴行」事件、無罪!~警察による住民運動への干渉・弾圧を許さない~
講師:塚田聡子弁護士(名古屋共同法律事務所)/ 特別発言:奥田恭正さん(名古屋白龍 住環境を守る会 代表)
最初にオンエアされたニュース番組の映像を2つ映すことで事件の概要を視覚的に紹介して下さった後、パワポを使いながら、ときには立ち上がって、身体の向きなどを実際に示しながらの塚田弁護士のお話しがありました。(右下の「暴行でっち上げ事件」PDFファイル参照)。
「とても良い(参考になる)話だった」「この話が聞けて総会に参加した甲斐があった」という参加者の声がたくさん聞かれました。
大垣警察市民監視違憲訴訟の勝利をめざす「もの言う」自由を守る会第2回総会&記念講演には、会場いっぱいの100名の参加者がありました(入りきれずに会場外で聴く方も出ました)
総会では、裁判の状況、これまで1年の活動報告、会計報告が行われ、今年度の活動方針・予算案と申し合わせ事項の改訂が提案され、承認されました。
共同代表として、新たに
稲葉当意さん(真宗大谷派 信願寺住職)
横山文夫さん(弁護士、長良橋通り法律事務所所長)
をお願いすることになりました。
2016年4月16日、大垣市スイトピアセンターにおいて、75名の参加を得て、「『もの言う』自由を守る会」の発足集会が開かれました。
→ ニュース 参照.
≪第1部≫
山田秀樹弁護士のあいさつに続いて、中谷雄二弁護士の記念講演が行われました。
「進む監視網と市民運動」
~自衛隊情報保全隊市民監視事件、仙台高裁判決から~
レジュメと資料は ↓
中谷弁護士は、講演の締めくくりに、「戦争と刑法--戦時治安体制のつくり方」(内田博文=著、みすず書房)に触れ、「闘う術が一切奪われるということが戦時下の特徴である。闘う武器があるあいだに食い止めなければならない。『ルビコン川』を渡ってからでは遅い。渡る前に食い止めなければならない。闘うために必要な武器は日本国憲法が用意してくれている。」という文を引用されました。
「憲法を武器に闘う」-憲法が完全に壊されてしまう前に。
現在と未来のために私たち全てに課されている責任です。
≪第2部≫
当事者と弁護団の紹介、 この「事件」の概要、事件の背景としてのシーテック社の風力発電事業の経過と地元の動き、「事件」が明るみに出てからの取り組みの紹介がありました。
申し合わせ事項の提案があり、意見交換ののちに承認されました。
資料 は 2014.7.24朝日新聞記事(ホーム)、シーテック社作成大垣警察その意見交換「議事録」、
及び ↓
大垣警察市民監視違憲訴訟の勝利をめざす「もの言う」自由を守る会
(略称「もの言う」自由を守る会)
共同代表 稲葉當意(真宗大谷派信願寺住職-安八郡神戸町-)
横山文夫(弁護士・長良橋通り法律事務所所長-岐阜市-)
■ 連絡先
弁護士法人ぎふコラボ 西濃法律事務所
〒503-0906 岐阜県大垣市室町2-25
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